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夏目亜季さんインタビュー「子宮頸がん 怖さ知って」

舞鶴市健康づくり課です。
20~30代の女性を中心に、年間約11,000人が罹患(りかん)する子宮頸がん。その治療で30代までに年間約1,000人が、子宮を失うとされています。舞鶴市出身の東京都荒川区議会議員・夏目亜季さん(33)も、子宮頸がんを経験した一人。「ふるさとのため、子宮頸がんの知識の普及や検診・ワクチンの啓発に取り組みたい」と意気込む夏目さんに、話を聞きました。

闘病生活を振り返る夏目さん

23歳 がん診断

子宮頸がんと診断されたのは、2014年9月、23歳の頃です。既にリンパ節にも転移していて、がんの進行度はステージ(病期)3期。10月からほぼ毎日病院に通い、抗がん剤と放射線の治療を受けました。翌年1月、がんが検出されない「寛解(かんかい)状態」に至りましたが、放射線治療により、卵巣の機能を失いました。

子ども 産めない現実

子どもを産めなくなると知らされた時は、なかなか現実を受け入れられませんでした。当時は、友人たちが次々と結婚したり、子どもを授かったりしている頃。特に、体内に器具を入れて放射線を照射する治療は壮絶で、朝から晩まで治療に通う日々に「なんで私だけがこんな目に」と待合室の椅子で涙が止まらなくなったこともありました。

治療を受ける夏目さん(本人提供)

寛解も 後遺症に苦しむ

寛解したあとも、後遺症に苦しみました。生理はもう来ないのに、椅子から立ち上がった時や、物を持ち上げた時に出血しました。また、更年期障害に似た症状も現れ、気分の波や吐き気などに2年ほど悩まされました。現在はその症状は収まりましたが、がんの再発検査のため、定期的な通院を続けています。

がん患者 生まないために

「もっと早くがんが見つかっていれば、子どもを授かる未来があったかもしれない」と、今も頭をよぎることがあります。当時、母親から、市の子宮頸がん検診を受けるよう勧められたこともありましたが、自分には関係ないと聞き流していました。一人でも多くの人が自分と同じ思いを味わうことがないよう、舞鶴市内でも啓発活動に協力していきたいです。

市役所を訪れ、市長へ予防啓発への思いを語る夏目さん

2024年7月4日に夏目亜季さんの特別講演会